業界以外の人は興味もないことでしょうが2020年度の学習指導要領からアクティブラーニングという言葉が消えています。
つぎのリンクはアクティブラーニングの失敗についての記事です。
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いつのころからか ティーチ(教える) から ラーニング(学ぶ) に変化しました。
またこれもいつのころからか暗記を敵視するようなセリフを見聞きするようになりました。
「暗記じゃダメ」「理解しないとダメ」
いや、まったくその通りなのですが子どもが勉強する上で
「わからんけどとりあえず覚えておこう」
という姿勢は大事でしょう。さきに書いたセリフも暗記を否定するものではなかったはずなのです。「暗記だけじゃダメ、理解もしなくちゃ」という感じ。ところがこれが曲解されたのか、はたまた理解するだけの方が楽だから乗っかったのか知りませんが、覚えようとしない子どもたちが出てきました。今、うちでは「理解だけじゃダメ、覚えなくちゃ」と叫んでいます(笑)
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塾の仕事も時代に応じて変化していくのですが、昔は「理解させる」ことを主目的として活動していました。あとは子供に任せておけば覚えるところまで勝手にやってくれていました。今のお父さん、お母さんはそうだったでしょう。
ところが現代の子どもたちはスマホの登場でどんどん忘れていかないと脳がパンクするほどの情報量に曝露しています。興味のない情報を頭に残さない訓練が行き届いているのです。思えばお父さんやお母さんたちも20年前ぐらい、まだレンタルビデオ屋さんが流行っていたころ、「借りたビデオをまた借りた」という体験があるのではありませんか。貸しビデオの利用で毎週3本とか映画を観るという情報量の変化についていけず「観たのに覚えていない。箱に書いてあるストーリーを読んでも前に借りたことを思い出さない。」一時間ぐらい観てから、「これ観たことあるぞ」と気がつきます。
今のデジタルネイティブたちはあの感じなのではないでしょうか。
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最近驚かされた事例
中3に → 石灰水って知ってる? → 知りません。
中2に → キリストって知ってる? → うーん、知りません。
聞いたことはあるよね? → いやー、習ったのかもしれませんが記憶にないです。
これが塾の日常です。
(ちゃんとした子もいますのでご安心を)
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アクティブラーニングが消えたことですし、次は「暗記させてくれるのが嬉しい時代」が来るとひそかに思う今日この頃です。
暗記とは教養のことなのですから。
コメント
コメント一覧 (2)
九九やローマ字の読み書きができない生徒に対して必要なのは、「脅し」です。「私は九九ができません」と平然というアイドルがいる以上、「これができなければキミは一生苦しむことになる(嘘ではないですよね)」。
ほめて育てるということが流行してから、現実を「隠ぺい」して良い情報ばかり耳に入れるという傾向があるかもしれませんね。
模試なども利用し本人に現実を知らせることで少しずつ改善を図るというのが塾の仕事だと思っています。「この偏差値だと合格できない」は脅しでもなんでもありません。データに基づく事実の告知です。子どもには脅しに聞こえるかも知れませんが。
なお「九九ができなくても一生苦しまない人」もそこそこ存在するみたいですよ(笑)