100点満点の定期テストで30点未満の人たち。
つまり個票の度数分布表で一番下の階級の人たち。
度数分布表を見ると当地にはそんな子たちが学年の4割も存在しています。

今年は縁あってそういう子たちをいつもより多めに見ています。
(なおT中の到達度テスト数学100点の子はうちの塾生ですから低学力専門だと誤解しないでね)

この子たちにいろいろと聞いてみるとわかるのですが、共通した特徴として「致命的な語彙不足」になっているのです。大人が使う日本語を知りません。聞いたこともないのだと。

たとえば社会科の勉強だと、企業、秩序、規模、工業などなど、理科の勉強だと、岬、湾など普通の日本語ですがこれを知らない子が大勢いるのです。

昔だとこれらの言葉はテレビや漫画から自然に学んでいましたが、スマホ時代の子どもたちにはそんな機会はなく、家庭内で使われる言葉だけが自然に学ぶ言葉です。それ以外の言葉は教科書でしか見かけない「勉強の言葉」に成り下がりました。

ところで授業においては「企業、秩序、・・・」はある程度通じる前提(信頼の原則です)で進行されます。子どもたちにしてみればわけのわからない説明をただ聞き流す時間になっているようなのです。
たとえて言うなら我々大人が営業の人に保険の説明など聞かされているときのあの状態だと思われます。なんでも「はい」「はい」「わかりました」(笑)って聞き流しがちですね。

現代の子は「書く」スピードも落ちているので、社会科のプリントは「答えの言葉」を穴に埋めていくだけで完成するようになっています。授業は時間制約があるので仕方がないことです。

そしてそれらを続けた結果、「答えの言葉は聞いたことがあるけど、意味は知らない」という状態になっています。(続く)